インタビュー
技術支援機関として、大分県内企業のものづくり活動に対する総合支援を行っている大分県産業科学技術センター様に、ACCRETECH製品導入のきっかけや印象について伺いました。
- 大分県産業科学技術センター
- 機械担当 主幹研究員 重光 和夫 様
- 機械担当 研究員 伊野 拓一郎 様
- 前身となる大分県醸造試験場が明治43(1910)年に設置されて以来、1 世紀以上にわたり県内企業の技術支援機関としての役割を果たす。大分県商工労働部が策定する「おおいた産業活力創造戦略」の推進機関として、部是である「現場主義、スピード、改革・挑戦」のもと、県内企業の個々の技術的な課題解決に取り組む中で、産業集積の進化と地場企業の体質強化の推進を支援。
- 住所:〒870-1117 大分県大分市高江西1-4361-10
http://www.oita-ri.jp/
大分県産業科学技術センターについて教えてください。
大分県産業科学技術センターは、「商工業を中心とする県内産業の振興」を目的として県の商工労働部に設置され、医療機器、メカトロニクス、航空機など、ものづくり現場の技術支援機関として県内企業の皆様を支援しております。私は機械担当として県内企業の方から持ち込まれたワークなどを測定しております。また、県内企業の皆様に、設備を貸出してご利用いただいております。
当社の測定機導入の理由を教えてください。
設備の更新を検討していたところ、サブミクロンの測定精度を有しており汎用性が高いことから導入を決めました。導入するにあたり、公益財団法人JKA(競輪)の補助事業を利用して導入しています。当センターでは大分県の予算での購入が困難な高額機器の設置などに補助事業を活用しており、過去にも補助金を活用した導入が多々あります。東京精密製の測定機で言えば、真円度・円筒形状測定機は当センターの設立時に導入したのですが、そちらも補助事業を活用しています。
当社の測定機を導入してみていかがでしょうか。
検討していた時から性能がとても良いことはわかっていましたが、サブミクロンの測定精度のおかげで、測定結果の信頼性が一段と高まりました。以前の機種と比較して、御社の製品は基礎的な使用方法はもちろんのこと、様々な使い方ができるため奥が深いなと感じています。また御社のサービスの皆様には導入後に何度もセンターまで操作指導に来ていただき大変助かっています。
当社の測定機を導入後、センターで「精密測定技術講習会」を実施したとお伺いしました。
はい、この新しい三次元座標測定機の導入をきっかけに3月に開催しました。測定機を保有していなかったり、自社設備での測定に不安があったりする方に測定機の基礎を知ってもらい、実際に測定機を触ることで測定機をより身近に感じてもらうために座学と実習を交えた講習会を実施しました。信頼性の高いものづくりには、高度な加工技術だけでなく、製品の精度を評価し保証するための基本となる知識や正確な測定技術が不可欠です。当センターは技術支援機関としての立場で、測定の大切さや測定機の良さを伝えていきたいと考えています。今回の講習会では三次元座標測定機の良さを知らない方に活用方法などを知ってもらえてよかったです。大変好評でした。
これからの目標があれば教えて下さい。
技術支援機関として地場企業に貢献していきたいです。具体的には今後「CMMクラブ」という三次元座標測定に特化した組織を発足させて、地場企業同士での情報共有の場を提供するつもりです。また将来的には難形状ワークの持ち回り測定をやろうと考えています。同じワークを持ち回り、それぞれ環境の違う場所で測定した時にどうなるのか、その変化を見るだけでもメンバーの皆様と議論が弾むと思います。今から楽しみです。
今後の課題はありますか。
地場企業を含む製造業への全方位支援をしたいが難しいです。技術支援機関であることのメリットを生かして様々な方にご利用いただきたいと思っています。
最後に、東京精密に期待することはありますか。
世界に誇れるものづくりをこれからも進めてください。サポートには大変満足していますので継続してよい関係でいてくれたら幸いです。
東京精密より、対談を終えて
「企業のものづくり活動に対する総合支援」「技術シーズによる県内産業の復興」「多様な連携による支援」の3つを業務の柱として、中小企業の総合支援から将来的な県内産業の復興までを支援されている大分県産業科技術センター様。県内企業のものづくり活動における様々な技術課題に対応するため、技術相談の対応を基本に、依頼試験や機器貸付、共同研究等により迅速な課題解決に努めています。今回、九州地区の技術支援機関として初めて当社の三次元座標測定機を導入していただきました。今後、ACCRETECH製品がものづくり活動に挑戦する企業の課題解決に寄与できることを願っています。