Meets ACCRETECH User’s Voice - 株式会社浅沼技研 - 東京精密

インタビュー

vol.05 - 株式会社浅沼技研

産業機械部品の試作品製造や、三次元座標測定機の検証用ゲージを製作している株式会社浅沼技研様に、人材教育の秘訣やより精度を高めていくためのこだわりを伺いました。

  • 株式会社浅沼技研
  • 代表取締役社長 浅沼 進 様
  • 昭和52年創業。主に自動車部品・産業機械部品等の試作品製造や精密アルミ砂型鋳造、三次元座標測定機検証用ゲージの製造・販売を行っている他、依頼測定業務やブロックゲージ校正業務を行っている。また、N.I.S.T(米国標準技術研究所)よりNVLAPの認定や、JCSS計量法に基づいた通産大臣の認定を取得するなどしている他、革新的な鋳造技術である「金型と砂型のハイブリットモールド」を開発するなど、積極的な技術の研鑽を行っている。
  • 本社・第一工場:〒431-1103 静岡県浜松市西区湖東町4079-1 第二工場:〒431-1103 静岡県浜松市西区湖東町5948-1
    http://www.asanuma-g.jp/index.html
なによりも「精度」にこだわり、世界で勝負ができる企業へ

会社概要について教えてください。

世界に通用する「ものづくり」を目指し、素材・加工・測定までの一貫体制を採っています。これらを総称して「ものづくり維新」と題し、①ハイクオリティーへの挑戦、②トータルコストダウンの提案、③短納期対応を実現して、お客様にとって最良なトータルメリット実現へのニーズに応えています。事業としては、輸送用機器部品の「試作」を主に行っています。そして試作だけではなく、自社製品の開発を思案し、10年にも及ぶ研究の結果、三次元座標測定機検証用ゲージとしてクオリティーマスターを開発しました。米国国家標準技術研究所(N.I.S.T)より、この製品の校正事業者としてNVLAP認定(LAB CODE:200536-0)を取得し、ドイツ標準研究所(PTB)でも校正された製品です。更にはNIST により、新たにアルミニウム合金のNVLAP認定も取得見込みとなっています。また国内においては、長さの基となるブロックゲージ校正事業者としての国家認定(JCSS)を取得しています。現在は自社製品の世界での更なる拡販を目指し、楽しんで仕事をしている最中です。

会社概要について教えてください。

どのような教育方針をとっていますか。

社長として、いかに部下のことを信頼して、任せられるかが大事だと思っています。そのため、大まかな方針などは伝えますが、基本的には部下たちのことを信頼して多くのことを任せています。部下たちは方針に沿って、とてもよくやってくれていますよ。また、私のモットーは、「他人に生かされる」です。この言葉の通り、私は従業員や家族に迷惑をかけながら生かされていると感じています。従業員たちがよくやってくれているおかげで、私は自由な発想ができています。 会社を繋げていくためにも、時代の変化による考え方の違いなどに対応していかなくてはなりません。そのため、何事も部下中心で考え、「部下がやりやすい会社」にしていかなければと考えています。会社の今の利益が薄くなったとしても、教育に投資して部下を育てることで、会社の明るい未来が見えてきます。最近では、会社の資金を使い、博士号取得のため社員に大学に通ってもらっています。 また、月一で課長や係長などを集めて利益などの情報を共有し、話し合いをしています。そして現状を現実的に把握したうえで、どうしていけばいいのかを各々考えさせるようにしています。この作戦が功を奏し、みんなの考え方がとても変わってきています。この勢いで、もっと面白い会社にしていかなければならないと思っています。

どのような教育方針をとっていますか。
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事業を行ううえでのこだわりを教えてください。

なによりも精度を追及しています。そのため、測定機を選ぶ際には精度が良ければ価格は問いませんし、設備も室温維持のため窓が無い設計にしたり、天井を高くしたりするなどしています。 また、鋳造材料にも非常にこだわっています。例えば、砂。費用はかかりますが、天然の砂ではなく人工の砂を使っています。これは、天然の砂の粒が不揃いなことに比べ、人工の砂は粒が全て綺麗な円形で均一なので、鋳造した際の詰まり方が違うためです。この他にも、同じ名称であっても、作る国やメーカーによって特徴が異なる材料は多々あります。わずかな違いでも、鋳造品の出来は大きく左右されます。そのため、研究室で材料の成分含有量や強度などを測定し、違いを精査しています。そしてより高い精度のものが造れる材料に惜しまず投資して、製品の質を高めています。こうして突き詰めて研究することで、他社が行っていないもので、かつお客様にはないものを提供しています。そのため、お客様の中には製品の質の違いについて相談にいらっしゃる方も多く、材料の測定を行い何がどう違うのかを評価し、どうしたらいいのか指示を出したりもしています。

事業を行ううえでのこだわりを教えてください。

これからの目標をお聞かせください。

「世界で勝負できる企業」になることです。今後日本から出て、アメリカやドイツなどの欧州、そしてゆくゆくは東南アジアにも手を伸ばしていきたいと考えています。そのため、より高い精度の製品を造ることと、それらを造りだす人材の教育や設備にはこだわり、惜しまず投資しています。今回御社から導入した、「XENOS」もその投資の1つです。莫大な費用がかかりますが、こうして生まれた良い製品は、世界で勝負していくうえで必要不可欠ですし、勝負に勝てると思っています。負けては意味がないので、そういう勝てる製品を造っていきたいですね。

これからの目標をお聞かせください。

東京精密より、対談を終えて

より高い精度の製品を作り出すため、測定機だけではなく人や設備、素材にまで強くこだわり、日々奮闘されている浅沼技研様。それらの強いこだわりから、ものづくりに関する数々の賞を受賞しています。国内だけではなく、常に世界を見据えて研究を重ねる姿勢が、現在までの継続・発展に繋がったのだと感じました。今後も浅沼技研様のより精度の高い製品づくりに寄与できるよう、製品開発に取り組んでいきます。

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