インタビュー
人材、設備、ナレッジの共有を大切にし、世界最高水準の製品を生み出し続ける 株式会社 小金井精機製作所様に当社とのお付き合いや信頼関係についてお伺いしました。
- 株式会社 小金井精機製作所
- 株式会社 小金井精機製作所 代表取締役 社長 鴨下 祐介様
- 株式会社 小金井精機製作所 取締役 前橋工場長 早野 次夫様
- 株式会社 小金井精機製作所 取締役 狭山台工場長 中島 敏和様
- 1943年に有限会社 小金井精機製作所設立、航空機部品加工を開始。1954年に株式会社 小金井精機製作所に改組。埼玉県に狭山台第一・第二工場、群馬県に前橋工場・榛名工場を設立し、クランクシャフトやカムシャフト、シリンダーヘッド、シリンダーブロック、トランスミッション等の超精密加工において世界トップクラスの実力を誇る。
- 本社、狭山台工場:〒358-0033 埼玉県入間市狭山台4-16-13
前橋工場:〒370-3502 群馬県北群馬郡榛東村山子田2081
http://www.koganeiseiki.co.jp/
御社の事業概要について教えてください。
鴨下:自動車やオートバイ、次世代電気自動車等の試作部品加工を行っています。その他、F1、インディカー、Moto GP など多品種少量レーシング部品の加工、航空機については量産の部品作りを行っています 。ただ量産と言っても月に数十個程度なので数的には自動車の試作と同じイメージです。少量多品種で、月に約170~180種類の部品を出荷しており、これらを軸に事業を行っています。
当社は狭山台と前橋に工場があり、狭山台工場ではクランクシャフトやカムシャフト等の回転系部品の加工を行い、前橋工場ではシリンダーヘッドなどのアルミ鋳物の加工や、シリンダーブロックなどのエンジン部品を金属ブロックから直接削り出す加工を行っています。
人材と設備を大事にされていると伺いました。
鴨下:当社では機械加工を行う者は全員三次元座標測定機を使う事が出来ます。勿論複雑なものは検査員が行いますが、自分達が加工したところは自分達で保証をしています。うちでは三次元座標測定機が使えなければ機械加工者ではないという位置づけなので、新入社員はまず三次元座標測定機を覚えます。検査員ではなくエンジニアで入っても同様ですね。自分で加工したものを自分で評価できれば、次はどう加工してみようというのがすぐフィードバックできるという利点もあります。小金井精機では誰もが測定を行えますし、また、東京精密製の製品は誰にでも扱うことができるのが特長です。その他にも、ここ数年検査領域に女性が増えてきました。航空機分野では全数検査工程を一貫して担当しています。また、弊社と縁の深いベトナムで毎年理系の大学生を正社員として採用しています。ご活躍されています。それぞれが特徴を生かして戦力となっています。
設備に関しては国内外の精密工作機械を多数保有しています。それらの検査に欠かせないのが測定機です。当社は試作が主なので、量産と比べて時間がかかっても精度を一番に重視しています。とはいえお客様をお待たせするわけにもいかないので、検査の時間待ちが出ないよう、多くの測定機を保有しています。現在は東京精密製とカールツァイス社製の三次元座標測定機を合わせて25台保有していますね。以前は他社さんの測定機もあったのですが、全て東京精密製にすることで操作性の統一を図っています。
東京精密とはいつ頃からお付き合いいただいているのでしょうか。
早野:30数年前に真円度測定機のRONDCOM71Aと粗さ測定機、三次元座標測定機のWMM850を導入しています。RONDCOM71AとWMM850は今も現役で動いていますよ。その前にも東京精密製の三次元座標測定機があったようですが今となっては詳細を知っている者がおりません。それくらい古いお付き合いになります。
鴨下:実は昔、東京精密さんには当社がピンチに陥った時に助けてもらった事があるんです。先代からそのエピソードを何度も聞かされていますので、「私たちもお客様が困っている時には早急に対応しよう」という強い想いが社内にあるんです。
東京精密への満足度はいかがでしょうか。
鴨下:長いお付き合いですから絶対的な信頼があります。マシンの精度は勿論ですが、一番助かっているのはメンテナンスと提案力です。
うちはスピード命、短納期の仕事がほとんどですから検査機械の故障は命取りになりかねません。定期的なメンテナンスは勿論、何かあれば多少時間が遅くても「今から伺います」と対応してくれるのは本当に心強いです。
中島:弊社のマシンの事を代々きちっと引き継いでくれて、担当者が代わっても何も説明する必要が無いというのも非常に助かっています。今は時流の変化が激しいので新たな分野に挑戦したい、という時にすぐにそれにマッチした提案をしていただけるのも助かっています。
これからの目標を教えてください。
鴨下:5~6年前から航空業界へ本格的に参入しています。今後アジアの発展と共に航空機の需要もますます増えていくと思いますので、引き続き力を入れていきます。また、自動車業界ではNEVへの転換期が来ています。NEVではモーターケース等で精密加工が必要となります。そこでの活躍の他にも、風力発電といった再生可能エネルギーに関連した部品にも積極的に参入していきたいと考えています。 今は変化が激しい時ですから、世の中の流れを読んでチャンスを掴んで行きます。その為にも、東京精密さんには今まで同様変わらぬサポートを期待しています。
東京精密より、対談を終えて
本田技研工業株式会社様向けレーシング部品での精密加工技術が口コミで広がり、ヨーロッパの名だたる企業から試作の依頼が来る小金井精機製作所様は人を大切にする暖かい雰囲気が社内に広がっていました。「当社の強みは人です」と何度もおっしゃっていた通り、小金井精機製作所様では従業員を育てる社風があり、一人の従業員が測定も加工も担うことで、高精度加工を実現しておられます。
自動車、航空機、再生エネルギーとさらに事業を発展させていく小金井精機製作所様のお役に立てるような製品の提供とサービス体制を当社として築いてまいります。